宮古島「こうむら眼科」院長のブログ

こうむら眼科院長、幸村百理男(こうむら もりお)のブログです。ホームページ→https://www.kohmura-ganka.com

白内障について①

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白内障はとてもありふれた病気です。眼科を受診して、白内障があると指摘された人は少なくないはずです。それもそのはずで、白内障とは白髪やシミのような老化現象のひとつにすぎません。八十歳以上の方のほぼ百パーセントが白内障と診断される由縁です。

白内障とは、眼球内の水晶体と呼ばれるレンズが濁る病気です(図の矢印)。加齢とともに皮膚が透明性を失うのと同様に、水晶体も徐々に色付いてきます。赤ん坊の水晶体は純水をオブラートで包んだように透明ですが、三十歳頃から徐々に緑黄色を帯びてきて、加齢と共に着色が強くなります。眼科医であれば、水晶体をみて年齢を推測できるほど、はっきりした変化です。これは歳をとると皮膚の透明性が失われ、シワができる現象と似ています。

白内障とは、ベースとなる上記の変化とは異質の濁りが水晶体に加わった状態をさします。皮膚に例えるとシミです。歳をとれば誰でもシワが出ますが、シミの出方には個人差があります(しかしいずれは出ます)。シミは見た目の問題ですが、水晶体に生じたシミは視力障害の原因となります。そうなると治療が必要となります。

白内障の治療の基本は手術です。目薬もありますが、これは進行を少し抑制する程度です。シミ予防の化粧水程度の役割だと考えてください。もっとも、つけ心地がよいため、希望される患者さんは多いです。

当院での白内障手術は局所麻酔で10分前後、日帰りとなります。成熟白内障や褐色白内障など、難しい症例を含めたほぼ全症例に対応しております。成功率は99%以上で、とても安全な手術と言えます。当院で私が執刀した症例は1400件余りになりますが、現時点で深刻な合併症は起きていません。むしろ重症の方ほど視力改善が顕著のため、喜ばれることが多いです。

多くの人が仕事への影響を懸念されますが、埃っぽい作業場や海に潜る場合などを除いて、差し支えはありません。デスクワークであれば翌日から可能です。建築現場、漁業や農業などは患者さんの状況に応じて、よく相談してから開始時期を決めます(通常は一週間程度です)。